Side日向
「俺を見てよ!」
目の前の彼女は目を見開いて俺を見ている。
莉桜が…悪いんだ…。
俺の方が……
俺の方がずっと前から好きなのに……。
「り、莉桜が……莉桜が最近なんか考え事してるから…。」
「考え事…?」
「どうせ…どうせ好きな男の事だろ?なんで…。俺じゃ…駄目なのか…?俺の方がずっと莉桜と一緒にいるのに…」
「日向く」
聞きたくない…。
「俺の方が莉桜のこと知ってるし!
莉桜の好きなものだって、嫌いなものだって…。
本当は料理できないのに1年の時弁当頼んだら一生懸命練習して作ってきてくれて…。」
「し、知ってたの…。」
「俺が唐揚げ大好きなの知って、頑張って唐揚げを1番練習してたらいつの間にか得意になってたこと。」
「っ!?」
「だから期待してた…。もしかしたら俺のことって…。両想いなのかもって…。
そう思ってたのに…。」
「ちょっと待って日向くん」
「嫌…だよ…。」
聞きたくない。
聞きたくない。
聞きたく…ないんだ…っ…。
「試すようなことをしたのは、もしかしたら悲しい顔でもしてくれるかなって…。
でも…やっぱり……」
わかってる…。
自分が嫌な奴だってこと。
俺は莉桜にとって優しい人で在りたいのに。
いつもそばに居る奴で在りたいのに…。
「莉桜は桜みたいに散ってしまう…。」
「え…?」
「俺、昔から桜のことを莉桜みたいに思ってた。
綺麗で、優しくて…そばで咲いているのにすぐに散ってしまう…。」
「私は…散らないよ…。」
「莉桜…?」
莉桜の頬には、涙が流れていた。
「私は日向くんのことあたたかくて優しい太陽みたいに思ってる。」
「そんな…」
俺はこんなにも自分勝手な人間なのに…。
「そんな日向くんのおかげで、私笑ってられるの。」
「莉桜…。」
「好きだよ。日向くん…。」

