「あたしをそんな善良な人間にしないでもらえますか?」 幸はあたしを買い被り過ぎ。 最後の海老を落として、ちょいちょいと突く。 「言ったでしょ、そんなに優しくないって」 「でも、俺は優しい壱花しか知らない」 「断われない、の間違いでしょう」 ザーッと水の出る音。幸が手を洗っている。 全ての海老を揚げて、火を消した。 「それで俺は助かってる」 「じゃああたしもそうだよ。幸が居たから、今日悪縁を断ち切れた」 キャベツの千切りが乗せてある二つの皿にエビフライを盛りつけていく。 「ありがとね」