でも、ある塾の日...

「先生って彼女いるんですか?」

ってさりげなく聞いたら、「うん。まぁ一応」って。

あんまり期待はしてなかった。

こんなに賢くて、スタイル良くて、ちょっと腹黒くて...優しいもん。モテるよ。

わかってた。わかってたけど辛くて辛くて。

授業の終わりでよかった。

それから、帰りの電車で先生のことずっと考えてた。

家に帰ったら泣いた。

私みたいな子が届くような人じゃなかったんだって区切りつけた。

でもその区切りは、心の表面だけ。

奥底ではずっとずっと好きだったと思う。

それからは、気持ちを抑えて「先生のために合格する!」って心に誓った。毎日必死に勉強した。

毎週塾で先生の顔を見る度に、心は傷痛んだ。

でも、勉強すればするほど「受かってやる」って気持ちが恋心を上回った。