恋の実は図書室で

「えっと、その本を探しに来たのですが……見つからなくて……変な音がして……それでえっとあなたのこと見つけて……誰もいないと思ってたからびっくりしちゃって……それでそれで……」



一生懸命伝えてはいるのだけど日本語って難しい泣



目の前の彼は静かに聞いてくれてるけどきっと私の説明じゃ分からないだろう



新たに言葉を探してると彼は本を手に取り私の前に差し出した



今度は私が状況をつかめないばんで自然と首が横になる



「……はい」



「えっ、いいんですか?」



全然話さないし無表情だから状況を伝えなきゃと思ったけどどうやら彼は私の下手な説明でもしっかりと理解していたらしい



きっとまだ読み途中な本を私に渡してくれたことにじんわり胸が温かくなった