「おったまげた~」


ドクドク…と騒ぐ胸の音を聞きながらドアの前に立つ。
反対側にいる菅野は、今頃プンプンに怒ってるに違いねぇ。


「アイツ……何で裸なんだよ……」


ペソ抱いてたから胸は見えなかったけどさ。


(でも、下半身丸見えだったし……)


まいったなぁ……と呟き寝室へ戻る。
昨夜飲み過ぎて、布団を敷くのがメンドくさくなってベッドに入り込んだのは覚えてる。

布団の中にいた菅野の体が暑くて、上を脱いだのは確かだけど……。


(まさか…その後アイツに何かした……?)


記憶にはねーけど、それで裸だったとか……?


「違うよな。だったら何か覚えてる筈だもん……」


あの体に触れた感触は手のひらには残ってない。
…と言うことは、単純に風呂に入ろうとしてただけか。


「だったらサッサと入っとけよ、こっちが目のやり場に困るだろ〜」


見る気もねーのに見えただろーが!…っつーか、これでおあいこだっつーの!


この間からアイツ、散々俺の裸見てるもんな。
完全には脱いでなかったけど、ほぼ全裸に近かったことは違いねぇ。


(まあ、今日のところは菅野の方が完全に分が悪いけど……)


瞼の裏にヌードが焼き付けられてる。
忘れてやりたいのは山々だけど、こればっかりは無理ってもんだ…。


「意外にスタイル良かったよな……ちょっと驚いた……」


腰が括れてたなぁ…と呟きながらも湧き上がる欲情。

我慢してんのもツラいと嘆く耳元にペソの鳴き声がしてきた。