───でも、貴方と私はまた結ばれない。


「...遥香の事、大事にしてあげてよね」


「ルリ、お前...ッ」


「お酒の勢いよ。私達は終わってる...そうでしょう?」


嗚呼 こうしてまた
私は貴方を突き放す事しか出来ない


本当は 手を伸ばして

もっと抱き締めて欲しい
もっと愛されたい

でも 私達は“純粋な関係”にはなれない

そうでしょう?


「...そうだな」


静かに そう呟いた紫都
声が震えていた気がしたのは

きっと気の所為ね.


「...さよなら、ッ」


「...っ」


“あの夜”と同じ言葉を
もう一度 君に伝えなければいけないなんて

こんな再会 辛いだけ


紫都の身体をスルリと抜けると
私は手早く 服を着た


「...ッ」


一歩 一歩と
ベッドに背を向けて 進んでいく


ねぇ、引き留めてよ
待てよ、って抱き締めてよ

そんな事ある訳無いのに 願ってしまうの




──別れを告げてから数年

もう一度 逢いたいと願った貴方に

私は 再び別れを告げた


《Reencounter:再会》