荒々しく それでいて優しいキス
私の言葉は遮られた


「...ッ」


「ルリ...」


───⋯もう、戻れない。


街で店を探すのはさほど苦労しない

部屋に入ると
そのまま 紫都からのキスが降ってくる


「...ん、っ...」


「ルリ...っ」


最早 理性なんて無かった
本能のままに貪り合う


「ン...ッ、ア...」


ひたすら快楽に溺れて
何度も 何度も 抱かれて

気付けば 朝になっていた


「……ん、」


目を覚ますと
抱き締められている事に気付いた

隣に眠っているのは 紫都


「...紫都」


そっと顔に手を伸ばしたその時

目を覚ました紫都が
私の上に覆いかぶさった


「留梨奈」


初めて紫都の口から
私の本当の名前を聞いた


「...久しぶり、ね」


また逢える日を 待ち望んでいたのに
こうして目の前にいても

何を伝えていいのか分からない


「会わないうちに、綺麗になったな」


「紫都は、大人びたね...?」


「当たり前だろ...お互い、もう子供じゃない」


そう。

あの頃はまだ お互い子供で未熟で
何も分からなくて大人になりきれなかった


でも今は違う
...そう言いたいけれど

私の中の時間は あの日から止まったまま