「あの。なんで警察は断らなかったんですか?普通は断りますよね?」



私がそう言うと結城さんはフッと笑った。




「一言では説明できないが、簡単に言えば俺は警察の弱みを握ってる。それだけだ。」




結城さんはいたずらっ子のような笑顔を向けてきた。



「…運転に集中してください。」



「質問してきたのはそっちのくせに。」




なんだか、結城さんといると調子が狂う。


大人の男の人なのに、大人ぶってないというか、基本無表情で裏表がないから気が楽。



でも、その分たまに見せる笑顔が身体に毒だ。



「よし、警察署についた。降りるぞ。」



「あ、はい…」




車から降り、結城さんと一緒に警察署に行く。



こういうとこ来るの初めてだから緊張するな…