今日の夕食だってイレギュラーな事だったし……あっ!

「じゃあ、ウチに来ませんか?昨日、クッキー焼いたんです。良かったら食べに来ませんか?」

少しでもお礼になれば、と思って提案する。

「いいの?」

「はいっ!是非!」

「じゃあ、お邪魔しようかな」

「はい!」

良かった。これでチャラにしようなんて思っていないけど、少しでもおもてなし出来れば良い。そう思った後で、あ……と気が付く。

(部屋、綺麗だったかな……)

今朝の部屋の状況を思い浮かべる。

(うん。大丈夫……のハズ!)

「車はどこへ停めれば良い?」

「え?」

突然話し掛けられ、ハッと顔を上げた。見られてマズイ物は無かったよね?なんて考えている内に、いつの間にかアパートの前に到着していた。

「あ、えっと……」

大家さんから、『来客の場合はここへ停める様にして下さい』と言われていた場所を確認する。幸いな事に空いていた。

「あの、ここの端へ停めて頂ければ……」

その場所を指差す。

「オーケー」

雪ちゃんは素早いハンドル捌きで、一発で駐車した。

(格好いいなぁ)

ちょっと見惚れる。今日は外見が「津田部長」だから、尚更。