4:きみと、月に泣いた夜



きみと見る景色は、どれも彩りに溢れていた。


だから、だろうか。


自分の持つ黒色を、忘れていたんだ。


見たくなかった。

きみが無色透明ではない事を、もう知っていたのに、縋ってしまっていた。