ボクらはマクドナルドに入って、昼食を食べた。
その時、イスに座った彼女は、ミニスカートからスラっと伸びた美脚を組んでいた。
その仕草に、ボクはドキッとしていた。
とても大人っぽくて、でも笑った時は無邪気で、ボクは彼女に恋をしている。
もし、こんな週末を毎週過ごせるなら、ボクは寿命を神様に半分差し上げても構わないと、本気で思った。
待ち合わせ場所のアクアブルー水族館に着くと、12時前なのに彼女の友人カップルはもう着いていた。
何かの間違えで彼女の友人カップルは来ない、というボクの願いは一瞬にして途絶えた。
『おーい!カナコー!』
彼女はいきなり、自分の手を振って大きな声で言った。
その声に気付き、彼女の友人カップルは近づいてきた。
『はじめまして!
私の名前は、増田カナコです。』
Supremeと書いてある黒いニット帽と黒のスキニーパンツが印象的な女性は、ニコッと笑った。
笑顔が普段の表情かと思うくらい、よく笑顔が似合う女性だとボクは思った。
その増田カナコは自分の彼氏に、挨拶しなさいよっ!
という感じで、彼氏を小突いた。
『はじめまして、
僕は小倉良太って言います。
よろしく。』
若干の照れ笑いを浮かべ、右手でメガネをクイッと上げた。
この小倉良太という人は、メガネがよく似合っていて、おおらかで優しそうな感じが、声や服装や顔から滲み出ているようだった。
『はじめまして!
カナコから、よくノロケられてます!』
『ちょっと!やめてよ〜!』
増田カナコは彼女を小突いて、二人は笑った。
どうやら彼女も増田カナコの彼氏とは初対面だったようだ。
ひと段落した雰囲気になり、次はボクの番だと思った。
『どうも、ボクは柏木カオルっていいます。
よろしくお願いします!』
よし!笑顔で元気よく言えた!
我ながら上々のできだ
とボクは思った。

