その美しい人は、朝陽高校の隣町にある鈴川高校という女子校の制服を着ていた。
去っていく彼女の後ろ姿に、思わずボクは声をかけてしまった。
『あ、あの、すいません!』
『はい、どうしました?』
と彼女は、クルッと振り向き言った。
『いや、えっと、その、、、
ボクも好きです!』
『はい??』
『あっ、あの、、ラッド!
ボクもRADWIMPSが好きです!』
『そーなんですか。
いいですよね、ラッド。私も大好きです。』
彼女はクスッと微笑んだ。
その笑顔は、本当に無垢だと感じた。
まるで、この世界に唯一産み落とされた天使なのではないか、と勘違いしてしまうほどに。
それと同時にため息をついたつもりが、
連絡先教えて下さい!
と言ってしまった。
ヤバい変な事言ってしまった。
これじゃ、まるっきりナンパだ。
とボクは思った。
ほんの数秒の沈黙だったが、
ボクには、1年分の沈黙の様に感じた。
目線を下げ、自分の唾をごくりと飲んだ。
すると、彼女は弾むような声で
『いいですよ♪
LINEのIDとかでよければ。』
『全然構いません!
でも、ほ、本当に良いんですか?』
『はい、良いですよ。
お友達になりましょう。』
またも彼女は天使のような微笑みを見せてくれた。
ボクは、
ありがとうRADWIMPS!!
あなたたちのファンでよかった‼︎
と心の中で叫んだ。
こうして、人生初のナンパは成功に終わった。

