キス魔なヤンキーくんの甘い罠

勢いよく天へと手を伸ばし、同時に地面から足を離して膝を曲げる。


その瞬間、あたしの手のひらはひんやりと冷たいレンガを捕らえた。




一番低い壁。


このくらいの高さならチビのあたしでも難なく超えられる。



あたしは得意気にレンガの壁を乗り越え、地に足をつけた。





遅刻三昧のあたしが唯一得た知識。


裏庭への逃げ道。



あたしはここから何回も侵入、脱走を繰り返している。




生徒にも先生にも特定の人にしか知られていない穴場で、遅刻をしたとき利用するのに丁度いい場所だった。