リアル王子が意地悪なワケ

ひと目ぼれなんかくだらない。




そう思っていたのに、俺はあの時、七瀬にひと目ぼれした。




「なんか…………バカみたいだな」




「え、な、何がですか!?まさか私とか…………?」




背中から可愛い声がして、現実に引き戻された。




ちげぇよ。




まあ………もう弁解するのも面倒だし、それでいいか。




「うん。お前のこと」




「っひ、ひどい!頭はそんなによくないですけど………」




拗ねたように言う七瀬。




勉強教えてやろうか、と言いそうになったがやめた。




一緒にいたら好きってばれそうだからな………。




「あのー…………」




遠慮がちに七瀬が口を開いた。