リアル王子が意地悪なワケ

「あ、それで………」




「あ、可愛いね、きみ!ちょっといい?」




話をしようとしたら、七瀬が別の男に声をかけられた。




「え………」と戸惑う七瀬。




なんだよ、この男。お前なんかに七瀬はやらねぇよ。




え、俺のでもないって?いいんだよ、これから俺のもんにすんだから。




「あ、じゃあ私、行きますね。ありがとう!」




「あっ、ちょっと…………!」




七瀬はトコトコ歩いていってしまった。




さっきの男に笑顔を向ける七瀬。やめろ、そんな可愛い顔見せるのは俺だけにしろ…………!





「おーう、どうだった?あの子、名前は?」




「…………七瀬、めぐみ」




名前を口にしたら、また胸が苦しくなった。





「で、好きになったか?可愛いだろ、めぐみちゃんは!」




「好きになんか、なってねぇよ…………」




「……………え。おい、遥斗…………?」




……………あ。あっさり本性をバラしてしまった………!




「これ、本性の俺。………秘密にしといて」




「は、はいいい!!」




俺が小声で言うと、浩輝がビクビクしていた。