リアル王子が意地悪なワケ

「………………王子、様…………!」









「彼女さん、俺は高梨!いい加減覚えろ!」









そう言う王子様の手は、女の子の手首をしっかりと握っている。









「……………お前ら、今、こいつを殴ろうとしてたよな………?」









低くなる王子様…………高梨くんの声。









いつもとはまるで違う王子様に、女の子たちは顔が真っ青だった。









「そ、れは、七瀬さんが…………」









「理由なんかどうでもいいんだよ。俺が聞きたいのは殴ったかどうかだ」









「………………な、殴ってなんか…………!」









「こいつの頬が赤くなってんだけど。どう説明するつもりだ?」









高梨くんがそっと、私の頬に触れてきた。冷たい指先が気持ちいい。









「そ、そんなこと、あたしらには……………」









「手ぇ出すなって、言ったよな?」