「ま、いいや。じゃあね、七瀬さん!」









「あ、私、まだ話したいことが………!」









王子様は私の肩をたたいて、『さわやか人格』になって帰っていった。









え、待って。私、こんなところに取り残されたら…………!









すぐに教室が騒がしくなる。








「王子様が七瀬さんと付き合ってる、って本当なの?」








「ありえない!なんで七瀬さん!?」








「やだー、ぬけがけは禁止なのにー!」








はっきりとは聞こえないけど、私のことを話しているのは分かった。








「めぐみ、大丈夫!?」








教室へ戻って椅子に座ったら、結衣が声をかけてきた。









結衣、心配してくれてるの…………?ありがとう、でも………。









「もうダメだぁ…………」









「え!?な、何が?とりあえず、元気出しなよ!」








「………う、うん……………」








話している間にも、クラスメイトの視線が向けられる。









こんな罰ゲームみたいなことを、これからずっと…………?









………………終わった。













―――――あの男のせいで、私の高校生活、終わった………。