「ごめんなさい、すぐ行きます!」









早足で教室のドアへ向かう。









王子様のところまで行くと………、









「きゃあっ!?」









彼に突然抱きしめられた。









いきなりなんてことするの、この人は!?









「ちょっと、離して…………っ!」










「いいから黙ってろ」









王子様は私だけに聞こえるよう、耳もとで囁く。









「で、でも………」









「うっせーよ、今からしゃべったらキスするからな」









「!?……………う………」












そ、そんなことされたら私………女の子たちに殺されちゃうよ!!









しゃべらないようにしないと!









やっと静かになった私を抱きしめたまま………王子様は女の子たちに笑顔を向ける。









信じられないって顔をしてるんだろうな、私はこの体勢だから見えないけど………。