しばらくそうやって騒いでいたが、ようやく「リホ」と呼ばれていた女の子が声をかけた。









「は…………遥斗くん。誰かに用事とか、あるの……?」









緊張しているのか震えた声に、赤く染まった頬。









いかにも『恋する乙女』って感じだ。









ほら、こんな女の子と付き合えば良かったのに!








「んー……………。いる、かなぁ…………?」









王子様はうん、探してる子がいてね?、とだけ答え、再び教室を見回す。









『探してる子』…………?と、いうことは。









探してるのは、女の子…………?









クラスの子が一気に静かになった。「もしかして私!?」なんて思ってるのかな。









はっ、そんなのアニメの中でだけだよ………。









「……………あ、いた」









「「「…………!!」」」









女の子たちは必死に彼の視線の先を追う。









……………あれ~~?なんかさっさから、やたらと目が合う気がするんですが。









気のせいですよね?









「探したよ…………七瀬さん」









……………嘘でしょ?









神サマ、どうか嘘だと言ってぇ……………!!