昼休み、いつも通り騒がしい教室。









私は結衣に昨日の出来事を話した……………ん、だけど。









「えええええ~っ!?王子様と、付き合うことになったぁ!?」









彼女は、メロンパンを持ったまま、そう叫んだ。









明るい結衣の声は、本当によくとおるなぁ………。









「し~っ!お願いだから、静かにしてよっ…………!」









さっきから、女の子たちがチラチラ見てくるんだよ!









「あの人たち、何の話してるの?」









「まさか王子様と本当に………なんてねぇ?」








なんて会話も聞こえてくるし!









ただでさえ昨日、王子様に手首を握られてるのを見られてるんだし……………これ以上は勘弁して!









私の思いが通じたのか、結衣は苦笑いで謝ってきた。









「あ………ごめん。でもそれ、本当なの?信じられない………!」









「それはこっちのセリフだよ!」









もう、これが夢だったら良かったのに!









「え、でもさぁ?なんてめぐみにそんなこと言うの?めぐみと王子様って、ほとんど接点ないじゃん!」









結衣は不思議そうに首をかしげる。










「だよね!?なんで!?むしろ教えてほしいぐらいだよ!」









真面目に考えても分からない。









なんで私なの!?喜んで彼女になってくれる可愛い女の子は、いっぱいいるのに!








なんでわざわざ私の弱味を握って無理やり彼女にする必要があるの!?










さすが俺様男、考えてることが全然分かんないよ!