「あ、あの…………っ!!」









私がキレ気味で声をかけようとすると。









「あ…………悪い、用事を思い出した。俺、もう帰るわ。









じゃーな、また明日、『彼女さん』?」









「な、なっ…………!?」









まだ私は、あんたの彼女になるなんて認めてないよ!?









王子様は、スタスタと遠ざかっていく。









「王子さ……………」









あれ、王子様って呼んじゃダメなんだよね?









でも、出会ったばかりの人をいきなり名前で呼ぶのも………。









もう、なんて呼んだらいいのかくらい教えてよ!









そうこうしているうちに、王子様の姿は見えなくなってしまった。









あの男、私の大事な『ラブ☆プリ』のキーホルダーを奪いやがって………………。









……………あれ、『ラブ☆プリ』?









「あ~~~~~っ!!」









そうだった、私、『ラブ☆プリ』を見るために走ってたんだった!









一週間、これを楽しみに生きてきたのに!!









今から急いで帰って、間に合うかな………!?
















その後私は全速力で家に帰ったが…………テレビをつけたときには、すでにエンディングが流れていた。