「何で、って顔してんな………ほら。これ、お前のだろ?」









王子様の手には、見覚えのあるアニメキーホルダー。









……私がいつもバッグにつけていたものだった。









確かに、定位置にキーホルダーがないし。









まさか、ぶつかったときに取れて…………!?









「それ、返してください………っ!私の宝物なんです!」









「へー………こんなのが?返してほしいの、七瀬さん?」









そう言いながら、王子様はキーホルダーを揺らす。









「はい、何でもします!だからどうか………」









返してください、と言い終わる前に、王子様が口を開いた。









「なら、俺と付き合えよ」









………………え?今、なんて?









つ、きあう……………?彼女になる、ってこと?









「ええええっ!?ムリムリ、絶対ムリですっ!!」