わたしはメールの返事をすることなく
家を出た。


わたしと徹お兄ちゃんの家は
マンションの隣同士の部屋、
外に出れば5秒もしない内に着く。


わたしはインターホンも押さずに
扉を開けた。


「徹お兄ちゃん、
なにを手伝えばいいの?」


「おぉ!もう来たか!
早いな!」


「当たり前じゃん!
隣同士なんだから!」


「ハハッ!そうだな!」

笑顔を向ける徹お兄ちゃんに
わたしは胸が少し苦しくなった。


「それで?何をすればいいの?」


「あぁ!そうだった!
じゃあその書類をこっちに運んできてくれ!」


「はいはい!」


わたしは言われた通りに
書類を運んだ。