部屋に入ると、いつもと違う緊張した空気に息を吐くタイミングさえも分からなくなった。
「あのさ…」
そんな空気の中、旬君は真剣な面持ちで口を開いた。
「うん…」
真っ直ぐな旬君の視線に心臓がバクバクと音を立てる。
「上手く言えないかもしれないけど…
俺、誰かを守ってあげたいとか
悲しませたくないとか
今までよく分からなくて…
結香ちゃんと初めて会った時、
なんか辛そうっていうか無理してる感じが伝わってきて…
でも結香ちゃんは必至に隠して笑ってて…
連絡取ってる間もそれが気になって、
いや…結香ちゃんを知りたいって気持ちに変わってさ、
今は…
俺が結香ちゃんを幸せにしてあげたいなって。
辛い記憶も泣いた過去も。
俺が全部消してあげたい。
…結香ちゃんが好きです。
俺の彼女になってくれません…か?」
顔を真っ赤に染めながら真剣な表情で真っ直ぐな視線。
いつもの可愛らしい笑顔とは違い、男らしい表情を見せる旬君。
吸い込まれそうな綺麗な瞳にあたしは瞬きをする事さえ許されないように感じた。
「ありがと…う
あた…しも…
旬君が好き…です」
溢れる涙を頑張ってこらえてるのに、止まってはくれない。
もう傷つきたくないと誓ったあたしの心を
旬君がそっと包んでくれた。
あたし自身に問いかける。
…また人を好きになっても良いですか?

