恋じゃないと願うだけ







出来る事なら彼女を今すぐ追い掛けたい。


全てをさらけ出したい。



でも…



彼女に近づく事で

こんなにも傷つける事になるなら



彼女の手を離すべきなのかもしれない…


それで彼女を守る事が出来るなら。








静かな教室で生気ない俺にエリナがそっと囁いた。




「あたしからの最後の意地悪だよ…」







「最後か…」





ため息混じりに笑う俺から目を反らすエリナ。


そう。もう彼女とは関わる事もないだろう…


一筋に流れる涙が、俺の心を弱くさせた。









「バカ……

う…嘘はついてないからね。

あたしも本当は…


悔しいほど結香が好きだから……



でも…やっぱり結香には敵わないなぁ…

あたしもここまで拓に愛されてみたかった…」






吹っ切れたように笑いながら俺の背中をポンっ

と押すエリナの目には光るものが見えた。





「早く行かないとヤバいんじゃないの?


あっ、キスは最後のプレゼントって事にしてね♪」







お前が言うなよ

なんて心の中でツッコミながら



エリナの頭をくしゃくしゃと撫でた。







「ごめん…

いや…

ありがとう」






そして俺は、小さくなっていく彼女の後ろ姿を必死で追い掛けた。