恋じゃないと願うだけ







修学旅行当日。


観光名所めぐりも落ち着き、やってきた自由行動の時間。




そう。

拓君合流の時間。




自由行動と言ってもそんなに遠くまでは行く事が出来ないので、行動範囲は決められていた。


時間までに宿泊しているホテルに戻り点呼をとる形になっている。





とは言っても、初めて来た場所。

道も分からないあたし達にとっては未知の場所であって、

ワクワクする反面、不安にもなる。



方向音痴なあたしは志穂から離れないように気をつけて歩いた。






「あっ、拓」



数名の男子と一緒にこっちへ歩いてくる拓君。



テンションの高いエリナは拓君にべったりくっついた。





「志穂あそこ行こう」


そんな様子から目を反らし、志穂の腕を引っ張りその場から離れる。





「うちら、ちょっとあそこ居るね」



あたしに腕を引っ張られながら、少し先に見えるお土産屋さんを指す志穂。








「結香、大丈夫?」


お土産のキーホルダーを見ながら心配してくれる志穂。



志穂には色々と話しているが、拓君を好きだと気付いた事は言っていない。