「はぁ…」
下駄箱で上履きに履き替えながら何故だか大きなため息が出た。
楽しいはずの新学期。
拓君の事が頭をよぎり一気にテンションが下がる。
なんで朝からこんなに気が重くならなきゃならないんだろう…
気にしない‼
気にしない‼
気合いを入れるようにパシパシと両頬を叩きながら廊下を進もうとした時だった、
ドンッ
いったぁ…
廊下からヒヤッとした冷気と同時にお尻にヒリヒリした痛みが走る。
また誰かとぶつかってしまった。
前にも勇樹君とぶつかった事があった事を思い出す。
なんてドジなんだろう…
「ごめんなさい…」
目の前に立ち尽くす人に謝りながら、ゆっくりと視線を上にあげた。