恋じゃないと願うだけ







「大丈夫?

あなたすごい熱だったわよ


だいぶ下がったみたいね
良かったわ」



保健の先生があたしのおでこに手を当て、安心したように息を吐く。




「そう言えば、彼氏。
本当にあなたの事が大事なのね。

たまたま用事があって、保健室閉めて職員室に居たんだけど、
凄い勢いであたしを呼ぶもんだからビックリしちゃった。

保健室に行く間もしっかりあなたを支えて

着いてからもあなたから離れないし」


思い出すように笑う先生。



「えっ…」



「大事にしなさいよ

じゃああたしは少し空けるけど…

今日はこのまま安静にしてなさいね」




先生はそう言いながら保健室を後にした。




やっぱり拓君だったんだ。


徐々に思い出す記憶。



薄れていく意識の中、


温かく包まれる感触…

拓君のあたしを呼ぶ声…



結香…って

はじめて名前を呼ばれた気がした。