恋じゃないと願うだけ







季節は春を迎えようとしていた。

そっと首を温めてくれていた薄いピンクのストールも

旬君への気持ちをリセットするかのようにそっと引き出しの奥へとしまった。




「結香、今日買い物付き合って♪」




「うん、いいけど…

何買うの?」




「うん。
ちょっとね」





最近では珍しいエリナの誘い。

そして、最大の変化といえば、アキラ君の話しをする事がなくなった。
当然旬君の名前を聞く事もなくなった。




ちょっと前にアキラ君とは別れたと言っていた。




理由は好きな人が出来たらしい。


今までだったら真っ先に報告してきたエリナだったが、

今回に限っては詳しい事は何一つ言ってこなかった。



違和感を覚えながらも、特に突っ込む事はしなかった。