「………彼方君!?」 結花はすごい驚いてる。 当たり前だよな。 今まで無関係だった俺がいきなり出てきて、しかも抱き締めてるんだもんな…。 だけど…名前で読んでくれた……。 久しぶり結花が呼んだ【彼方君】が頭に響く。 名前を呼ばれてこんなに嬉しかった事は初めてだ。 でも………。 結花は今、何をかんがえてる? 結花を見てみると困惑してる様子だ。 俺は不安で震えそうな自分を押し込めて、槌田に向かって言った。 「こいつ俺のだから。悪いけど無理。」 結花が約束を覚えてくれている事を願って……