ケッコンシキ?


忘れてた!しまった〜。
結婚したら結婚式しないといけないのか。
そりゃそうか。
男にしてみたら結婚式なんてちょっと恥ずかしい儀式みたいなものだけど、女にとっては一生モノって言うもんな。


念のため、と思ってさりげなく奈々に確認する。


「やっぱりさぁ、奈々も結婚式とか挙げたいって思うか?」

「当たり前じゃない」


ピシャリと彼女は言い切った。


「私、決めてるのよ。マーメイドラインのゴージャスなウェディングドレス着る、って。で、お色直しは絶対にシンデレラ風の水色のドレス!招待状とかペーパーアイテムもディズニーにして、それで……」


奈々の口からは俺の予想を遥かに凌駕するほどの結婚式へのイメージや希望が溢れていた。


ヤバい。マズい。
これはなにがなんでも結婚式は挙げないといけないパターンだ。


そして、1人でこっそり銀行の通帳を見つめる。


いやぁ、本当に貯金が無いぞ。
ほんの少ししか余裕が無い。
これもそのうちアレコレ買ってたらあっという間に気づかないうちに無くなってしまう。


よし、貯金計画を立てよう!


奈々へのプロポーズはおあずけにして、人生初の貯金とやらをすることを決意した。