バッサリポッキリ話の腰を折られた優くんは少々不満げな顔をして、拗ねたように口を尖らせた。
しかし気を取り直したのか話を続ける。


「2つめは、何かの拍子に結婚を意識して、彼女にプロポーズするために事前に色々準備するタイプ」

「準備?」

「例えば、ベタな所で言えばエンゲージリングを用意したり、高級なお店を予約したり、サプライズのために周りに協力をお願いしたり」

「フラッシュモブみたいなこと?あれ私無理なんだけど」

「まぁでもあれも一種の準備だね〜」


テレビとかでよく見る、周りの人たちを巻き込んでダンスとか踊りながらプロポーズされる、アレ。
あぁいうの好きな人はいいだろうけど、私はパス。順がやったとしても、ダメ出ししちゃいそう。


「たぶんほとんどの男は2つめの方だと思うんだよね〜。順くんはどっちだろうね?俺は2つめだと思ってるんだけどなぁ」


頬杖をついて、ニコッと素敵に微笑む優くん。
この微笑みに心を持っていかれる女がどれほどいるのか。
実際今、両隣のOLらしき女の子たちが「ちょっとちょっと、隣に超イケメンがいる!」と騒ぎ始めている。


私はそんな男の顔を胡散臭そうに眺めつつ、毒を吐いた。


「じゃあ優くんは?プロポーズのご予定は?コズに聞いたわよ、久住とは結婚前提で付き合ってるらしいって」

「もっちろーん!男に二言は無いよ。この間、お互いの両親には紹介し合ったばかりさ」

「な、なぬーーーっ!」


い、い、いつの間に!!
チャラい振りして案外誠実なのね。
今回は相手が女だから問題無いけど、ここまで入れ込んだのが男だったら色々困難がありすぎて大変だっただろう。


私のリアクションを見て、優くんはクスクスと笑っていた。
「最近、梢と似たような反応するようになったね〜」って。ほっといてよ、親友なんだから自然に移るのよ。