カルボナーラ味のうどんをチュルンと食べて、飛び散るソースには大して気を配らない私。
丁寧にうどんをズズズとすすって、ソースがはねないように気をつけてお上品に食べる優くん。
どういうこと?男女逆転よね。


「昨日の一件で、今まで謎に包まれてたコズと須和の生活が垣間見えた気がしたのよね。案外あの2人は相性いいかもしれないわ」


何気なくそう言うと正面に座る優くんがキョトンと目を丸くして、当然の如く首をかしげた。


「ええ?何を今さら?俺は分かってたけどね、めちゃくちゃラブラブなことは」

「ラブラブってのはちょっと語弊がある気がするけど……。コズなんてちっとも惚気ないし、須和だってあの通りだからさぁ」

「意外とあの2人は似た者同士じゃないか」

「どこをどう間違えば似てるのか分からないんですけど」

「肝心な場面で素直じゃないところ」


フフン、とどこか勝ち誇ったようなドヤ顔で彼は言っているけれど、私には全く理解出来ない。


お冷をグビグビ飲んでいたら、「そういえば」と優くんが顔を上げて目を輝かせた。


「奈々はどうなんだよ、順くんと?相変わらずラブラブなんだろ?そうだな、君たちほどラブラブという言葉がピッタリな人たちはいないよな」


確かにラブラブっちゃラブラブですがね。
でも同棲してから少しは落ち着いたと思うのだ。ケンカもしょっちゅうするようになったし。


2人きりになれるというプレミア感が減少し、休日にどこかへ出かけようというやる気も同時に減少。行くとすれば近所のスーパーくらい。
旅行なんて同棲してから一度も行っていない。
服などの買い物はお互いの友達と行くことの方が多い。
特に順は車の改造が大好きで、そういった趣味のものを見に行く時は決まって1人で行く。
私は常に家でお留守番だ。