私と彼氏が付き合うようになった馴れ初めを話すと長くなるから、かいつまんでお話しします。


彼氏の名前は田嶋順。
彼は今年で31歳。
もう私も彼も完全に結婚適齢期に突入ってわけなんです。


順との出会いは、会社の新入社員歓迎会。
まだ今よりも髪が短くて、スーツも着せられてる感がハンパなかった彼。
同期でも男性陣は大卒しかいなかったから、短大卒の私からしてみるとみんな年上。
コズと2人で縮こまっていたところへ、優しく声をかけてくれたのが順だった。


「事務課の人……だよね?営業課に配属になった田嶋です。よろしくね」


第一印象は、優しそうな人。
トロンとした二重まぶたの目が、ホンワカした雰囲気を作り出していて。
見た目もかっこいい方だったし、身長はそんなに高くないけど低くもなかったから「あ、いいな」ってちょっと思った。
その時は彼氏もいなかったし、まぁ会社でいい人がいれば付き合っちゃおうぐらいな軽い気持ちもあった。


で、そんな田嶋の隣にいたのは、のちにコズの旦那になる須和柊平。
こいつはとんでもなく無愛想で。
やたらと背が高いっていう特徴以外、特になんの印象ももたらさない地味っぷりだった。
あえて言うならダサめのメガネくらいか?
私とコズと同じ事務課に配属が決まってたくせに、なんにも言わない。


だからなのか、通訳みたいな感じで順が須和の紹介をしてくれたのだ。


「こっちは須和柊平。君たちと同じ事務課に行くんだよ」って。


私もコズも、須和には興味は無かった。
コズに言わせれば、彼女的には順にも興味無かったらしいんだけど。
なにしろ無類のイケメン好きだからな、コズは。