「これより、演劇
光と影のHopeを開演いたします」

ブー

という音。

それに合わせて幕が上がる。

スポットライトがあたっている少女。

静かな体育館に少女の声が響く。

「お父様!
今日は私の妹に会えるのでしょう!
仲良くしろですって?
もちろんよ!
私昔から妹が欲しかったの。
悠里ちゃんっていうんでしょう。
とっても嬉しいわ!
会えるのが楽しみ!」

舞台が暗転し、次に藍色のドレスを着た少女にスポットライトがあてられる。

「私に姉ができる?
そんなのいらないわ!
信用なんてできるわけがないでしょ!
家族なんかいない方がいい」

そしてシーンは悠里の回想に変わる。

「お母…さ…
やめ…ッ」

「お前なんていなければ良かったんだ!
この役立たず!
死んじまえ」

「誰…か
助けて……」

再び、舞台は暗転した。