そんな人とこんな密室で、二人っきりなんて。


これは、人生最大のチャンスなんじゃない?


「おい。」


その低い声に現実に戻された。
ああ、そう言えば会話の途中だった気がするな。
謝罪してたんだった、私。


「申し訳ありません。私のせいなんです。」

「は?」

「私、昔からツイてなくて。エレベーターに乗ると毎回のように故障させてしまうんです。
なので今回も私のせいで、故障したんだと思います。」


すみません、ともう一度深く頭を下げると、はあ、と大変深いため息が落ちてきた。