「しゃ、晃さん。あの、大事な話があるんですけど…。」
「なんだ?」
お互い牛丼を半分ほど食べたとき、言おう言おうと決めていた話を切り出した。
「あの、付き合った当初によく言ってくれていた同棲の話ってまだ有効ですか?」
正面に座っている社長は、驚いたような表情ながらも真っ直ぐに私を見つめて耳を傾けてくれている。
「会えない間、もちろん寂しいっていうのもあったんだけど、社長がくれるメールがいつも深夜だったり、会社で忙しくしてる姿を見ていると、心配で。
晃さんの帰りをこのマンションで待ちたいな、身の回りのことで私が出来ることがあるなら力になりたいなって。」
それは、この一ヶ月、あのアパートで社長のくれた飴を舐めながらずっと考えていたこと。
「あの話がまだ生きてるなら、ここで晃さんと一緒に住ませてください。」
断られたらどうしよう。
最後の言葉は、怖気付いて少し震えてしまった。

