神様、どうか。



「晩ご飯でもどうですか?」


すっかり話し込んでしまった私達は、最後のコーヒーを飲み干してお店を後にした。

結局は、今回も社長のおごりだ。


「ありがとう。でもね、この後劇団四季の公演観に行くとよ。」

「アラジン見るんだよ!」

「え?なんで私は誘ってくれないの?」


ひどくない?すごく楽しそうなんだけど。


「誘おうと思ったけど、チケット2枚しか取れなかったんだもん。」


口を尖らせて言う道子の目は泳いでる。

これは絶対に最初から私は頭数に入ってなかったな。


「じゃあ、劇場まで送って行きますよ。
車で来てますので。」


そう言いながら、社長は拗ねている私の背中を押す。


「助かるわ。田舎者は歩きに慣れてなくてね。」

「どこに行くにも車ばっかりだもんね。もう足パンパン。」


最初は不安だったけど、お母さんも道子も社長のことを気に入ったみたいで一安心。

それに、社長が私の家族と和やかに話している姿を見るとなんだか心が熱くなった。