社長との出会いから付き合いにあたるまで一通り喋らされたとき、カフェの扉が来客を知らせた。
ーーー社長だ。
今までも何人かの人が出入りしていたのに、なぜか社長が来たということが分かってしまった私は、やっぱり彼に会いたくて仕方がなかったらしい。
ばっちり目が合い、社長がまっすぐに私たちのテーブルへと進んでくる。
仕事終わりの社長はきっちりとスーツを着込んでいる凛とした姿で、店内の女の人の目を集めた。
「…あの方?」
「うん。」
一直線に向かってくる社長に、お母さんと道子は釘付けだ。
「初めまして。幸子さんとお付き合いさせていただいてます、東堂 晃と申します。」

