神様、どうか。



「で、その人は何してる人やと?歳は?」

そうだよね、親として一番そこが気になるよね。
でも、ちょっと答えたくない。


「歳は35歳。仕事は…。私の勤めてる会社の、」

「え!上司?部長?課長?係長?」

「不倫じゃないやろね?あんたのことやから、騙されたとか。」


話を聞かずに、勝手に憶測を膨らませる二人。
こうなったら、上司ってことにしようかな。嘘ではないし。

でも、いずれはバレることだよね。


「…会社の、社長。」


腹を括って言った割りにはあんまり声が出なかった。


「はあ?!」

「嘘でしょ、信じられない…。」


お洒落なカフェに不釣り合いな声を出した二人は、一瞬周りの目を集めたがそれさえも気付かないほどに固まっている。


私だって信じられないんだから。


ああ、こうなったら社長、早く来て。