「幸せですね。」 「ええ。でも、大変よ!桃の幼稚園のクラスのお母さん達みんな若くって。 参観日なんて、浮かないように必死で若作りしてるのよ。」 ため息をつきながら愚痴る椿さんは、何だかとても楽しそうだ。 「幸子ちゃんはいくつ?」 「29です。」 「わあ、いいな。若くって。」 おお、この台詞を言われたの何年ぶりだろう。 「幸子ちゃん、結婚は?」 「いえ、まだ。」 この歳になると周りから必ず聞かれる質問。 答えるとき、いつも思う。 まだって、いつか出来るのかな、って。