「でも、兄貴は一回言い出したら絶対に自分の意見を変えないやつなんだ。 頑固なんだよ、親父に似てな。」 ああ、会長は凄く頑固の石頭だって話聞いたことあるな。 「結局、兄貴を説得しきれなかった親父は、田舎にいた俺を連れ戻したんだ。」 「そんな…。」 そんなことをさらっと言った社長が、届いた熱燗を注いでくれようとしたのでとっさに猪口を持った。 お猪口を持った右手が熱い。 口に含んだ香りのいい日本酒が、喉を通って胃に入って。 口が、喉が、胃が熱い。 なぜだか、目頭まで熱くなってきた気がする。