神様、どうか。



「だが、兄貴が東堂家具は継げないって言い出したんだ。」


そこまで話すと、社長が焼酎に口をつけたので一旦話が切れた。


お兄さん、なぜ突然……。

とんでもない展開過ぎて、何も言葉が出て来ない。


そんなとんでもない話の途中だっていうのに、社長は私の空いたグラスを見て、熱燗を頼んでくれる。


「兄貴は、こっちの大学で経営学を学んでたんだが、たまたまいきつけの喫茶店で出会った建築家に感化されたらしくてさ。
大学勝手に辞めて、その人の事務所入って修行しだしたんだ。」


おお、お兄さんなかなかアグレッシブだな。


「稼いだ金貯めて専門学校に通うって言い出したときは、さすがに本気だなと思ったよ。」

「それ、会長は反対しなかったんですか?」

「当然大反対だったさ。」


……ですよね。

だって次男には目もくれずに、長男を社長にすべく小さい頃から英才教育してたわけでしょ?