あんな御曹司に私の、ツイてない女の気持ちなんて分かるもんか。 生まれた時から身分が保証されていて、出世街道まっしぐらの彼の辞書には『ツイてない』なんて文字ないんだろうな。 『ツイてないだのなんだのは、ただの言い訳だ。運なんて、自分で掴むもんだ。』 あの殿上人の声がまた頭の中でこだまする。 なんだか、私の人生の全てを否定された気分だった。 あぁ、刻んだ玉ねぎが目に染みる。 神様、私が何かしましたか?