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「あんた。その格好でクラスパーティーに行くの?」

24日。迎えに来た奈々が、聖美の姿に目を丸くしていた。

「だって、お姉ちゃんが……」

聖美は呟いて自らを見下ろす。

今年の聖子のクリスマスプレゼントは、レースとフリルがふんだんに使われた黒のふんわりプリーツスカートに、袖口だけがフンワリとした形は乙女チックな黒の長袖ブラウス、それから黒いタイツに黒いフリルのついたヘアバンドだった。

さながら、黒いドレスのフランス人形か、はたまた黒服のメイドか。

「どこのゴシック少女よ」

「私も思う」

「何言ってるのよ! ゴシックは乙女の夢じゃない」

恐らく、聖子の夢なのだろう。押し付けられた聖美は迷惑だ。

泣く泣くコートを着込んで、ケーキの入った紙袋を持つと玄関を出た。

「あんたのねぇさんの趣味も、たまに解かんないものがあるわね」

シミジミと呟かれて、聖美は瞑目する。

「たまに、なんでお姉ちゃんはお姉ちゃんなんだろうと思う時があるよ」

「いやぁ~。似合っちゃうあんたもあんただけど」

「一応、喜んでおく」

呟いて、奈々の様子を見て首を傾げた。

奈々の服装は学校に着てくるのと同じ灰色のPコート。
それからぴったりとしたストレートのジーパンに、白いセーターだ。