綺麗な薔薇には闇がある

『早く!! 私たちの前から消えてッ!!』


憎しみと悲しみの混ざり合ったその瞳に背を押され、

強張っている身体に鞭打ち、

私は公園を飛び出した



───それから、どうやって帰ったのかは覚えていない


気付くと家に着いていた私は、

自室へと引き籠もり、

己のやるせなさに膝を抱え、蹲った



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ハッと目を開ければ、そこは見慣れた部屋の中で、

辺りには闇が色濃く広がっていた


静寂に包まれた空間で、自分の心臓の鼓動が酷く脈打つ音だけが聞こえる


それはあまりにも大きく、速く、

まるで、耳に心臓が移動してしまったのかと思うほどだった


落ち着けようと、深呼吸を何度か繰り返すも、

それは全く意味を成さずに、吐き出された息が暗闇に溶けていくばかりだった



……もしかしたら、このまま死んでしまうのではないか


そんな考えが脳裏を()ぎる


……いっそのこと、死んでしまった方が楽なのではないか


それは、私の中にいるもう1人の私が、囁きかけてくるようだった