綺麗な薔薇には闇がある

逃げなければいけないのに、体が強ばって動くことができない


どうしてだろう


相手に敵意や殺意を向けられるなんて

こんな場面、昔もあったはずなのに……


殺される……殺される……



瑠奈が右手を振り上げ、

光る刃を振り下ろそうとしたその時───



『瑠奈ッ! 待って!! 殺しちゃダメッ!!』


振り上げられた右腕を瑠花が掴み、動きを封じた


『離してよ瑠花ッ!!

こいつを殺せば……殺せば!!』

『たとえ殺したとしても!

お兄ちゃんは還って来ないよッ!!』


『っ……そんなの、分からないよ……

奇跡が起きるかもって、信じさせてよ!!』



目の前で苦しそうに顔を歪め、

お互いを掴みながら叫び合う双子


……私が、こんな状況を引き起こしてしまったんだ


どちらが悪いわけでもないのに……

戻らない命だと分かっていても、私を咎める権利があるというのに……


実際に当たっていなくとも、

向けられた刃が胸を抉り、心臓に深く突き刺さっている


そんな感覚がした