綺麗な薔薇には闇がある

瑠奈が拳を握り締める


隣に座っていた瑠花も、悔しそうに顔を歪めていた



『瑠樹にぃを……

私の家族を返してよッ!!


瑠樹にぃじゃなくて、お前が死ねば良かったのに!!』


悲痛な叫びが心を抉る



すると、私を睨みつけていた瑠奈が、一瞬動きを止めた


そして虚ろな瞳でこちらを見つめると、

静かに一歩足を進める



『ねぇ……お前を殺したら……

瑠樹にぃは還ってくるのかなぁ……?』


『え……瑠奈?』


動かされた右手に握るモノを見て、私と瑠花が目を見開く



瑠奈の手元で光るそれは……紛れもなくナイフだった



刃先をこちらに向け、ゆらりゆらりと歩いてくる姿に、

背筋を冷たいモノが流れるのが分かった