綺麗な薔薇には闇がある

私に何かを言おうとした彼の言葉は、またしても誰かに遮られた


見れば、さっきの四人も一緒にいる


「だよね。 この子、悠優の知り合い?」


眼鏡をかけた人がユウに尋ねた


「いや、初対面だ。 けど……「ええっ、凄っ! キミ、何者?」


今度はチャラい人に遮られる


さっきから、最後まで言い切れていない彼が、少し可哀想に思えた


「……普通の地味子ですが」


「そっか! 僕ねっ、亜鶴川(あずかわ)晃!

よろしくねっ、じみこちゃん!」


「ひー、それ名前じゃないから」


いかにも無口そうな人にツッコまれたヒカル


この人は馬鹿なのか天然なのか



どっちにしろ……


「え、そうなのっ!?

じゃあほんとの名前は何て……「私に関わらないで下さい」