「 俺が作ってるんだし 」

そう言い切った響さんに私はポカーンと豆鉄砲を食らった鳩のようにただただ口を開けていた。

「 なら何でですか? 」

聞いてもいいものかと思ったのだが、どうしても執着してしまう苺タルトの魅力に囚われてしまった私は「 また買いにきたいです 」 とお願いした。

「 理由はないけどーー、」


そう言って宙を仰いだ響さんの言葉で、私は再びこの ” bitter ” の扉を開くこととなる。